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カテゴリ「官能小説」に属する投稿38件]6ページ目)

理知の散佚 声にならない、絶頂、絡める #ルッチ

 私たちはシーツの中で言葉を交わさない。なぜなら、彼が言葉を発さないから。ロブ・ルッチは人とまともに口が利けない変人だ。うっかり付き合ってしまった私も変人だとパウリーにはからかわれ、カクさんには「がんばるんじゃぞ」と憐みの目を向けられる。

 ルッチは事に及ぼうとするときは決まって『おれは羽を休めてくるぜ。あとは若い二人でよろしくやんな。ポッポー』などという台詞を使ってハットリをどこかに逃がし、そのあとは無言を貫きとおす。必然的に、彼は目で語る、いや命じることになるのだ。

 『脱げ』『舐めろ』『開け』『黙れ』『逃げるな』『イけ』
 決して言葉で言われているわけじゃないのに、彼の目がわたしを射抜いて、わたしを屈服させるから、今日もまた、私だけひとり喘ぐことになる。私の声しか響かない部屋の、なんと虚しいことよ。やだやだやだやだ。どんなに私が声を上げたところで、彼が「嘘をつくな。いや、じゃないだろう?」「こっちはそんなふうに見えないけどな」などと卑猥な台詞で煽ってくることもない。ただ指を器用に動かして的確にイイところを責めてきながら、黒い瞳がふたつ、無言で見つめてくるだけだ。

 見られるだけ。
 言葉にしたらそうかもしれないけれど「視線が刺さる」とか「舐めまわすような視線」とか言われることだってあるし、見られるって結構「力」に近い。私はそれを体の芯で実感している。
 目をそらしても、ルッチが私を見ているのが分かる。それがわかると、わたしはぞくぞくして、ナカがぎゅうっとなって、その収縮を楽しむようにルッチが抽送を速めていく。奥に、奥に、さらに奥に。柔らかく解して、とろとろにして、もしかしたらルッチと付き合わなかったら、死ぬまで暴かれなかったんじゃないかという場所をとん、とん、とノックされて。
 私は声にならない声をあげ、今日何度目かの絶頂を迎えた。

 少しだけ意識が飛んでいる間に、私の身体は清められて毛布にくるまれていた。目を覚ますと、隣に横たわっていたルッチと目が合う。もぞもぞと身体を動かして手を伸ばすと、柔らかく指が絡められた。

「ねえ今、私のこと愛しいな、ってそう言ってるでしょう?」

 ルッチが何も言えないのをいいことに、私は勝手に、彼の愛の言葉を捏造する。

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おしまい

官能小説,長編・連作,ONEPIECE,adlut night 1003字 No.47 

貫きざまに噛む 花を散らす、征服欲、後ろから #カク

 ねえまた跡つけてるでしょう? と問われ、カクはしまったなと思いつつ、ウカの背中に花を散らし続けた。ウカの言い方が責めるようなものではなかったし、責められたとしてもやめるつもりはなかったからだ。返事をしないでいたら、ねえなんでつけるの? と素朴な疑問を投げかけられ、カクはウカの背に唇を寄せたまま口を開く。

「プリンに名前、書くじゃろ?」
「冷蔵庫の?」
「そう、冷蔵庫のプリン」

 私はプリンだったのかあ、と呑気な声を出してるウカだったが、カクが股の間の割れ目をそっと指でなぞると、ぬるりと滑り、ほんのわずかに腰が揺れた。つぷ、とそのまま指を沈めていくと、ウカがぷるぷると小刻みに震えナカをびくつかせる。
 後ろからウカの蜜壺をかき混ぜるように指を動かし、カクは考える。本当はもっと「これは自分のものだ」と示したい。冷蔵庫のプリンに名前を書くだけでは足りなすぎる。シャツやハンカチにイニシャルを刺繍するように。首輪でつないでその首輪にハートの錠をかけたら、リードで引いて常に隣に置いておく。
 ふと、快楽で縛るのもいいか、と指を増やしながら思いついた。きつく閉じた肉壁をゆっくり指でひらくようにしながら馴染ませていくと、ウカは腰を揺らして快楽を逃がそうとするので、空いていた手で腰を掴む。ウカのびく、びくとした震えが、ナカだけでなく腰からも伝わってきて心地よい。
 こうやって自分なしではいられない身体に躾けてしまえば……、そこまで考えてカクはそっと首を振った。
 カクは考えるだけで実行しない。いつも思い浮かべては踏みとどまっている。人の身体と心は、すぐに壊れることを知っているからだ。それでも『わしのじゃろう?』とは決して聞かない。彼女が『うん』と言わなかったときのことが、カクは恐ろしくて仕方がない。
 尋ねるかわりに、柔らかく解した秘所へ固くそそり立ったモノをあてがって、ずぷずぷと腰を沈めていった。ぎゅうっときつく収縮してくる感触を楽しみながら、彼女の背中に上半身をぴたりと密着させてゆっくり抽送を繰り返すと「あ゛ッ、そ、そこばっかり! やめ゛ッ、てッ」というウカのくぐもった甘い叫びが鼓膜を優しく揺さぶってくる。
 そうか。こうしながら聞けば、彼女の喘ぎ声が「うん」と響くかもしれない。思いついて、カクはまた首を振る。結局無言で、最奥をトントンとノックしながら彼女の肩口に噛みつくようなキスをして、今日もこのどうしようもない征服欲を満たす振りをする。

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おしまい

官能小説,長編・連作,ONEPIECE,adlut night 1090字 No.46 

ショコラ・ノワール 甘い声、素直になって、かわいい #カク

 カクは、彼女の手が自分の短い髪を何度も何度も梳くのが好きだった。びくん、と体が跳ねるのにあわせて彼女の指がカクの頭皮をぎゅ、と掴む。また何もなかったかのように彼女の指がカクの頭を撫でていく。
 彼女がこうして髪を梳いてくれるのは、カクが彼女の胸に顔をうずめているとき。ベッドに寝転んで向き合ったら、彼女のふわふわしたふたつのまあるいやわらかいものに頬を寄せる。すると、とく、とく、と優しい音がしてカクは心から安心する。
 と言いつつ、指はどうしても、そのやわらかいものの中心でつんと、上を向く突起をくりくりと弄りまわしてしまうのだが。戯れのつもりが、カクはいつもやめられなくて、そのうち彼女がカクの頭を両手でぎゅう、とかき抱くまでがセットだ。
 あまりに指で弄りすぎるとヒリヒリとして気の毒だろうと、カクは頃合いを見て、それの一方を口に含んで舌で転がすことにしている。毎回飽きもせず「いっぺんに舐められたらいいのにのう」と残念そうに言うのだが、そのたびに彼女の悩ましい甘い声が漏れてきて、カクは密かに満足感を覚えていた。「ふやけちゃう……」彼女が小さな声でそう呟いたら、もう一方に唇を寄せて、唾液でてらてらと光る方をまた指ではじく。
 ちゅうちゅうと赤ん坊のように無心で乳に吸い付くこの時間、彼女は必ず「かわいいね」と言うのだが、カクはそれが彼女の合図だと知っている。
 「かわいいのはウカじゃろ~」「おっぱいだけであんあん喘いで」「腰が揺れとるの、ばれとるぞ」「下はどうなってるんじゃろうなァ」「素直におねだりしたらいいじゃろ」舌で乳首をこねながら意地悪な言葉を重ねていくと彼女がぞくぞくと鳥肌をたてていくのが分かるのに、カクはわからないふりをして、もうしばらく飴玉を転がす。

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おしまい

官能小説,長編・連作,ONEPIECE,adlut night 799字 No.45 

深夜の甘い背徳 舌を這わす、濡れてる、立ったまま #カク

 開け放たれた窓から夏の夜風が入ってくる。生ぬるい風は火照った頬を、首を、背中を冷やしてはくれなかった。ウカは、どうしてこんなことになったんだろう、と考えなしでものを言う自分を恥じる。窓に背を向けて、窓の桟に肘を置くことで、なんとか立っていられた。股の間にはカクの頭があって、カクはさっきから一心不乱に、そこにある突起を舌を這わせている。もう、どれくらい時間が経ったろう。
 舐められてイったことがない、と漏らしてしまったのが良くなかった。それを聞いたカクは肩眉を上げて「へえ」と笑って、そのあと、「じゃあ」と言った。そうしていま、窓際に立たされて、ひたすら責め立てられている。窓を開けたのは「暑いから」だったけど、絶対違う。私はさっきから、いやらしい声が外に漏れないように、必死に唇を噛んでいる。
 はじめは、こんなもんかな、と思った。気持ち良くないわけではないけど、そこまででもない。舌を突起にぺたと密着させて、そっと震わせ、上下に揺らす。段々刺激が強くなる。でも、それがずっと、五分、十分と続いても私はいけなくて、私が申し訳なくなって「もういいよ」と言ってもカクはやめなかった。

「その気遣いのせいでいけんのじゃろ。わしのことは玩具とでも思っとれ」

 そういった後のカクはこれまでは準備運動でした、と言わんばかりに、舌先でひたすら突起を押し潰すように弄ってきた。じわじわと蕩けていた突起には酷な刺激で、膝ががくがくと震える。カクの顎が自分の股から流れるもので濡れていくのが、また情けなく「も、いい、のに」と途切れ途切れに頼んでみても、カクはやめてくれなかった。充血した突起を、れろ、れろ、とゆっくり嬲って、ぴん、ぴんと舌で弾いて、毎回、そのたび、私の身体が跳ねるのを確認して楽しんでいるように見えた。「カクぅ……」と私が甘えた声を出すと、カクは「はあ、仕方ないのう」といったん口を離して立ち上がり、私の後ろの窓を閉めてくれる。さっきまでずっと咥えられていた突起が、解放されたのにかえって、うずうずとして、腰がもぞもぞする。

「じゃあ、本番じゃな」

 私が嘘でしょというために息を吸った瞬間、カクはまた陰核への愛撫を再開した。唇と舌を使って、膨らんだ突起をさらに吸いながらぐりぐりと追い詰めるような動きは、さっきまでは手加減されてたんだと私にわからせようとする舌遣いで。
 私は窓が閉まった安堵もあり、「あああぁアあぁぁあっ!」と絶叫してあっけなく果ててしまった。崩れ落ちそうになるのをカクが両手で支えている。ぴくぴく震えるそれを、カクがよしよし、とでも言うように、舌で撫でる。果てたばかりの身体にはそれだけでも辛い刺激で「いった、いったよ。ありがとう」と掠れた声で言うのだが、カクはまだ私の股に顔をうずめたままで、私を狂わすそれを、自由にしてくれない。嫌な予感とそれは同時に襲ってきた。

「アあぁぁあ゛あっ! あッやあ゛っ! い゛ッだあ、からあ゛!」

 ぢゅ、ぢゅ、ぢゅ、と壁に押し付けられるようにカクの柔らかい舌と唇が迫ってくる。逃げ場のない私はカクが満足するまでひらすら喘ぐしかなかった。

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おしまい

官能小説,長編・連作,ONEPIECE,adlut night 1363字 No.44 

無遠慮の作法 手首を掴む、オモチャ、優しくして #カク

 彼は、彼が十三歳の時にわたしについうっかり欲情してしまってからは、ふっきれたのか月に一度か二度、私の躰に触れるようになった。はじめはおずおずと、歳を重ねるほどに段々と遠慮がなくなって、今は堂々たる風情すらある。
 何の用途でわたしがここに在るのか、わたしにはわからない。わたしにはぱさついているが髪があり、関節がある程度曲がり、古布で拵えられた簡素なワンピースが着せられていた。瞼はない。彼以外に愛された記憶もない。
 わたしが思い出せるのは、八歳の彼が乱雑に積まれた古いシーツや書物、オモチャの剣やピストル、壊れた椅子やベッドなどを器用に避けながらわたしのそばにやってきて、大きな丸い目をさらにまんまるくしたこと。それ以来、彼はちょくちょくやってきて、時にはわたしが他の誰にも見つからないよう周到に隠して、蜜月の日々を過ごした。

「ルッチが意地悪なんじゃ」

 時折、涙目の彼がわたしの胸に顔をうずめてぽとりと呟くことがあった。訓練が辛いとか、怪我をした、とか。そんなときはいつだって、震える背中をこの手でさすってあげたいと思うのだが、わたしはわたしの躰を動かせないのでもどかしい。声も出ないので、仕方なくただひたすらに、がんばれ、がんばれ、と念じた。思うだけのわたしの思いは、彼になんの影響も与えなかったのだろうが、彼は自分の力できちんと生き残った。そして定期的にわたしに会いに来た。
 彼がつるつるとしたわたしの固いおなかに吐精したのは、満月の夜だった。彼は荒かった息が落ち着くと、急いでそれをぬぐって、転がるように、でも音もたてず、物置から出て行ってしまった。そんな彼の様子から、彼はもう来ないかもしれないなと気分が沈む。彼が拭ったところだけがまだぬるくて、それがとてもさみしい。
 そんな夜から一か月くらい経ったある日、彼は私の様子をうかがうようにやってきた。この前はなんだかなし崩しに始まって、あれよあれよという間に終わったけれど、今度は彼の明確な意思を感じた。頭の上で動かない手首を掴まれる。ワンピースは捲られて、今日は胸まで露わだ。そうしてから、彼はわたしのささやかな膨らみにそっと頬を寄せた。冷たい躰が彼の熱を奪っていくが、どう頑張っても、彼と同じ温度にはならない。少し前まで、彼は布越しに同じことをしていたのに、布一枚はだけられるだけで、彼の身体に籠っていく熱を如実に感じられた。
 彼がこうした行為に及ぶのは、もっぱら嫌なことがあった時らしく、時に荒々しいこともあった。壊れて困る躰ではないのだが、冷静になった彼が傷つくのではないかと気が気ではなかった。でも不思議なことに、私がもう少しだけ優しくして欲しいなと思うと、彼ははっと我に返って落ち着きを取り戻し丁寧な所作になる。まさか私の声が聞こえているのかなと思ったこともあったが、彼と会話が出来ることはなかった。彼は静かに、彼の気が済むまで、わたしの冷たい躰に自分の熱を移していくだけだ。
 彼がわたしに会いに来なくなって五年が経った。それは彼に嫌なことがおこっていないということだろうし、そうでなくても、彼がわたしを抱きしめなくてもよくなったのなら、それで良い。ただ、物置は少しずつ片づけられていて、遠くに聞こえていた作業音が少しずつわたしに近づいていた。五年前、彼はわたしを布で覆っていったが、彼以外の人間に見つかるのも時間の問題だろう。見つかればおそらくきっと処分されるだろうから、その前に一度でいいから会いたかった。でも、思うだけのわたしには、何もできない。
 とうとうその日がやってきた。その人間は、すたすたとまっすぐ私に近づいてきた。物置は、以前よりずっと歩きやすくなっているのだろう。何の迷いも感じない歩みだった。その人間は布をとって中身を改めようともしなかった。元々ゴミ置き場のようなものだったから、それも仕方のないことだ。少し驚いたのは、その人間がわたしを抱きかかえるように持ち上げたことだ。そしてすぐにもっと驚くことになる。

「間に合って良かった。会いたかった」

 わたしも、と抱きつきたかったが、わたしはわたしの躰を動かせないし、やっぱり声も出ないので、仕方なくまたひたすらに、わたしも、わたしも、と念じた。

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おしまい

官能小説,長編・連作,ONEPIECE,adlut night 1813字 No.43 

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