レーティング:性R18

可愛い部下の望みなら

 副長官殿に煽られまくって結局豹化したルッチの代わりに、報告書もとい顛末書を提出しに長官室の前に来たカクは自分の耳を疑った。

「ス パ ン ダ ム さん!!!」
「おお、どうだった?」
「やっぱり無理ありますよ、あのキャラは!!!」
「いけるいける! 舐められるよりマシだろ」
「ルッチ怖いって! 豹ルッチは特に怖い!」

 さっきまであのルッチを詰問していた女性と、部屋のなかで「ルッチ怖い」と喚いている女性は同一人物だろうか。声は同じに聞こえるが、とカクは恐る恐るノックをしてドア開ける。

「長官、この前の任務の報告書を」
「おや? ルッチくんは来ないのか?」

 さっきまでルッチ怖いと喚いていたであろうはやれやれといった様子で、「嫌われてしまったようです」と先程自分達に見せたのと同じ態度でスパンダムに話しかける。

「お前、何やったんだよ」
「何も。ちょうどカクくんが報告書を持ってきてくれた、この任務の顛末を少々聞いていただけですよ」

 ルッチを散々煽って、指までしゃぶらせておいてよく言う、とカクは心のなかで毒づいた。でもまあ、いい。

「わしはこれで」
「私も少しはずします」

 一緒に部屋を出るそぶりだったので、副長官殿のためにドアを開けてやると、は片手を上げ軽く礼を言った。が廊下に出たところでカクも続き、後ろ手でドアを閉めて、小さな、でも、たっぷりと悪意を込めた声で一言。

「上官の弱味を握って強請るなんぞ、諜報部員冥利に尽きるのう」

 言いながら、カクはに制止の間を与えぬようすかさずの手首をぎゅっと握って脈をとる。

「……乙女の肌に無許可で触れる罪は重いぞ?」

 言葉とは裏腹な脈の速さにカクは身震いした。こんなにも動揺しているはずなのに、それを決して悟らせないその目ができるのか。

「さて、わしにも忠誠を誓ってもらおうかの」

無論、唇で。カクは愉快そうに先ほどのと同じ台詞を吐いた。


(あんの……くそバカ長官ンンン!!!)

 は「この部屋は防音仕様だからな!」と宣った長官の言葉を不用意に信じた自分を恥じた。確かCP9のメンバーでは最年少だという目の前の青年は面白そうなおもちゃを見つけた、という顔を隠そうともしないし、手も離してくれない。

「あの部屋が防音仕様だと信じているのは長官だけじゃぞ。全部筒抜けだということを誰も教えてやっとらんからのう」
「部下に恵まれない長官が気の毒だね」
「ルッチが怖いんじゃろう?あんなに怯えてかわいそうに。ワシが守ってやろう」
「まさか。“可愛い”の聞き間違いだろう?」

 ルッチにも同じ台詞が通用するといいのう、と毒を孕んだ笑顔で面白そうに言葉を重ねてくるカクにはお手上げだと両手を上げた。

「わかった、降参だ。何が望みかな?」
「強請りの相場は金か身体か、そうじゃろう?」

 彼が下卑た要求をしてくるのは正直以外だったのではほんの少し目を丸くする。金にも身体にも興味がなさそうなので、てっきりの更迭を要求するものと思っていた。

「意外と品がないね」
「何事も経験じゃろ?」
「訓練に明け暮れていた子供の考えそうなことだ」

 言うなり身体を突き飛ばされ、は廊下の壁に背中を打ち付ける。が体勢を整える前にカクは目の前に立ち塞がり、の両手をとって壁に磔にする。そして、唇が触れそうになるくらい顔を近づけてにっこり笑った。

「決めた。わしが子供かどうか、その身体で確かめるといい」
「急に荒っぽいね。図星ですと高らかに宣言しているようなものだ」
「その仮面、必ず剥いでやるからの」

 カクは長官室の廊下を挟んで目の前にある会議室のドアを開けると、をそこに押し込んだ。簡素な机と椅子が数組あるだけのそう広くない小会議室だ。長官室のすぐそばということもあって、ここを使うのはCP9の面々だけ。そして、赴任してきたばかりの副長官に挨拶以外の大した予定があるはずもない。

「そんなに発散できなくて辛かったのか? かわいそうに」
「それはお前さんもじゃろ?」

 カクは机に浅く腰かけるようにしていたの足の間に自分の足をいれてぐりぐりと押し付けた。の身体は傍目には無反応に見えたが、両手首を拘束しつつ、脈を取るのも忘れない。

「ルッチの舌はそんなによかったか?股が濡れているぞ」
「──ッ! 本当に……ッ! 品の、ない子だ。まさか経験もないのか?」
「だからそれを確かめてみろと言っておろう」

 両手を使えないのはカクにとっても面倒だったためのネクタイを引き抜き、後ろ手に縛った。ついでにシャツのボタンも外していくと汗ばんだの肌が少し露になる。下着を緩めてインナーと一緒に上にずり上げると、胸の突起が固く屹立しているのが見ただけでもわかった。この状態であの口ぶりなのだから恐れ入る。

「ふ、口では余裕ぶっているが身体は正直じゃのう」
「だから……そういう物言いはどこで覚えてくる──っんん!」
「胸ばかり気にして、股のことは忘れとったのか?」

 カクが足での足の間にある敏感な部分を刺激すると、さすがのも不意打ちがすぎたのか、声を漏らしてしまったようだった。

「ゆっくり焦らす時間もないし、順当なところから責めておくか」

 カクはのベルトを緩めスラックスとショーツを足元まで下ろした。これで簡単な足枷にもなる。

「もっと丁重に扱えないものか? 仮にも上司で乙女だぞ」
「すまん、すまん。今度はベッドの上で頭から爪先までゆっくり可愛がってやるから、今は勘弁してくれ」
「今度だと?」
「まさか副長官殿は“強請り”がたった一回で済むとでも?おめでたいのう」
「ふざけるのも──ッぁん! あ、あぁ! んんぁッ! ま、まて──ッ! ぅあッ!」
「やっぱり可愛い声も出せるんじゃな」

 カクは左手を胸の飾りに、右手をさっきまで足で刺激していた突起に添え、もう片方の胸の尖りを口に含むと、指と舌を使って三ヶ所を一気に責め立てた。押し寄せる快感が大きすぎて、は思わず腰をひいてなんとかやり過ごそうとするが、カクの足と机に阻まれ思うように逃げられない。

「そんなにこひをふらんでも……ちゃんと弄っとるじゃろ」
「咥えながら──ぁッ! 喋るなッ!」
「ふまんの」

 カクはさっきからずっと同じリズムで絶え間なく刺激を与え、の身体に快感をどんどん蓄積していく。何パターンかを試し、一番反応がいい動きを探った。

は指で乳首をこりこりされるのが好きなんじゃなあ? 残念じゃがもうバレとるぞ。で、舐めるときは下から上に押し込むように、じゃろ? 下の方は優しくカリカリされるのがいいみたいじゃの」
「わか……った、気に、なるのも──ッぁ……大概に……んぅッ!」
「ここまで蕩けさせておいてその言葉が出るのか。天晴れじゃな」

 でももう終いじゃ、とカクはの身体から手と口を離すと、の身体を抱えて机の上に転がした。を拘束していたネクタイをほどいて仰向けに寝かせる。そして、手慣れた手つきで自分のモノを露にするとスラックスと下着で自由がきかないままのの両足をぐいとの顔の方に押しやって、先端を濡れそぼったの秘所に押しあてた。

「脱がすのが面倒での。悪いが今日はこれで」
「乙女の扱いと物言いについては……今後たっぷりと教育してやろう」

 下半身をとろとろにさせながらもカクを睨み付け折れないに、カクは自分の嗜虐心をの手のひらでなぜられたような感覚に陥る。
 の蜜壺は十分に潤っていたが、体位のせいもあり、さすがに一気には貫けない。カクはゆっくりと腰を動かし、少し抜いてはまた奥へ、奥へと進めていく。進むほどにの中襞はカクに吸い付き、腰の進みに合わせてが声を殺しきれず小さく喘ぐ。

「んぁぁ……ッ! ……ぅあッ! ……ひ……ぁッ!」
「押し殺してる声もいいのう。ただ……いつまで我慢できるかの?」

 それを合図にカクは収まりきった自身をそのままに、律動を早めた。なるべくの最奥を刺激できるよう腰を密着させる。

「さすがにこの短時間で子宮はおろせなかったか。また今度じゃな」
「ん゛ん゛ッッ! ん゛んんッ! んああッ!」

 カクの知ったような軽口に、は言い返したかったが、いま口を開くと喘ぎ声しか出せないことは自分でもよくわかっていた。そのため必死に手で口を押さえた。その様子をカクが楽しそうに見下ろしてにやにやしているのにも気づいたが、カクの硬くなったモノが自分のナカをトントントントンと突くたび、電流が走るような刺激に頭を真っ白にされてしまい、快感で思考が塗り潰されていく。

「おっ?! 中がひくついてきとるの。時間ももうないし、合わせてやろう」

 カクがさらにを追い込むようにの乳首に両手を添えた。添えているだけでも、揺さぶられているので刺激がうまれてしまう。

「そっ! それはッ! だめ、だッ」
「だめと言われて止める男がいるのか? 好きなんじゃろう? 指でつままれてくりくり弄られるのが」
「あああああッ!」

 ナカからの刺激と相まって、ピストンされながら乳首をつままれ玩ばれたは呆気なく果ててしまった。身体を震わせながら果てたの、その肉襞のうねりを楽しみつつ抗うように腰を動かしていたカクもほどなくして熱い飛沫を迸らせた。
 カクは、はあはあと肩で息をするの耳元でそっと囁く。

「次は、最後のあの声で一晩中鳴かせるからの」
「はぁ、はぁ……、ふう……お手並み拝見といこう」

 はまだあのだった。カクは面白くなさそうに唇を噛む。



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