いまは、空しか見えない 読みました いつ買ったか忘れたくらい積読していて、今日何気なく本棚から手に取って読み始めたらあっという間に読んでしまいました。 特に、さよなら苺畑、で描写された優亜ちゃんと、いとこの高志くんが切なくて切なくて泣けてしまいました。 『ゆーねぇ(優亜ちゃん)怖がらせたくないし、嫌われたくないから、もう大きくなりたくない』と泣いて目を腫らす小学六年生の男の子、高志くん。 優亜ちゃんは、高校生の頃、彼氏未満くらいの男から強姦された経験があり、今は新人美容師として伯母さんのお店で働いているのですが、そこに客としてくる男が明らかに猥褻な目的で彼女を指名して、わざと不潔な格好でやってきて洗髪させたり、身体を触ったりするんですね。 高志くんは、ちょうど声変りがはじまったり、身長が伸びて「男性」としての成長が著しい頃で。優亜ちゃんが大好きな高志くんは、そんな男から優亜ちゃんを守る、と言ってくれるのですが、優亜ちゃんは過去のトラウマから高志くんのことも「男性」として怖く感じてしまって「何でもないから、こっちにこないで!」と声を荒げてしまいます。 優亜ちゃんの恐怖は高志くんにも伝わってしまうのですが、それでも高志くんは優亜ちゃんのためにその男を倒そうとして、待ち伏せているところを補導されてしまい、そこで明かされたのが「大きくなりたくない」なんです。 もう…なんていったらいいんだろう。優亜ちゃんの恐怖もよくわかる。でも高志くんの「大きくなりたくない」も悲痛で…。小学六年生なんて、大きくなりたくてなんぼでは?なのに、彼は大好きな優亜ちゃんを怖がらせたくないから大きくなりたくない、って泣くんです。大きくならないなんて無理でしょう。絶対止められない、どうしようもない。優亜ちゃんの恐怖も、どっちもどうしようもないから、なんか泣けて泣けて(和解します)。 高志くんは伯母さん(母親)にも「その男は絶対おかしい」と言ったり、本当に一生懸命なんですよね。本人の違和感とか恐怖が、周りにはなかなか伝わらないのは悲しいことに常だと思うんですが、高志くんは優亜ちゃんの恐怖をちゃんと受け止めたんだなと思うと余計に…泣いちゃう。 連作短編集なのですがこの話が一番#グッとくるやつ でした。 #感想 favorite いいね No.614 2024/10/13(Sun) 21:15 953 字
いつ買ったか忘れたくらい積読していて、今日何気なく本棚から手に取って読み始めたらあっという間に読んでしまいました。
特に、さよなら苺畑、で描写された優亜ちゃんと、いとこの高志くんが切なくて切なくて泣けてしまいました。
『ゆーねぇ(優亜ちゃん)怖がらせたくないし、嫌われたくないから、もう大きくなりたくない』と泣いて目を腫らす小学六年生の男の子、高志くん。
優亜ちゃんは、高校生の頃、彼氏未満くらいの男から強姦された経験があり、今は新人美容師として伯母さんのお店で働いているのですが、そこに客としてくる男が明らかに猥褻な目的で彼女を指名して、わざと不潔な格好でやってきて洗髪させたり、身体を触ったりするんですね。
高志くんは、ちょうど声変りがはじまったり、身長が伸びて「男性」としての成長が著しい頃で。優亜ちゃんが大好きな高志くんは、そんな男から優亜ちゃんを守る、と言ってくれるのですが、優亜ちゃんは過去のトラウマから高志くんのことも「男性」として怖く感じてしまって「何でもないから、こっちにこないで!」と声を荒げてしまいます。
優亜ちゃんの恐怖は高志くんにも伝わってしまうのですが、それでも高志くんは優亜ちゃんのためにその男を倒そうとして、待ち伏せているところを補導されてしまい、そこで明かされたのが「大きくなりたくない」なんです。
もう…なんていったらいいんだろう。優亜ちゃんの恐怖もよくわかる。でも高志くんの「大きくなりたくない」も悲痛で…。小学六年生なんて、大きくなりたくてなんぼでは?なのに、彼は大好きな優亜ちゃんを怖がらせたくないから大きくなりたくない、って泣くんです。大きくならないなんて無理でしょう。絶対止められない、どうしようもない。優亜ちゃんの恐怖も、どっちもどうしようもないから、なんか泣けて泣けて(和解します)。
高志くんは伯母さん(母親)にも「その男は絶対おかしい」と言ったり、本当に一生懸命なんですよね。本人の違和感とか恐怖が、周りにはなかなか伝わらないのは悲しいことに常だと思うんですが、高志くんは優亜ちゃんの恐怖をちゃんと受け止めたんだなと思うと余計に…泣いちゃう。
連作短編集なのですがこの話が一番#グッとくるやつ でした。
#感想