雁行 明け方目が覚めて、今日の天気はどんなもんかとカーテンをそっと開けると、薄ぼんやりした空にいくつもの雁行が見えた。群れの数は十も二十もあって、V字が時折歪み、また整う。この島には立ち寄らないらしく海の向こうに見えなくなっていく。雁たちはうねうねと形態を変え、予想外の動きをするので、思いのほか見入ってしまった。 「何見てるの?」 いつのまにか起きていたらしい彼女がベッドから問うので、鳥じゃよ、と大雑把に伝えると肩をさすりながらもぞもぞと起き出してきた。 「わ、すごい。こんなの初めて見た」 この季節この時間に起きて空を見たことがなかったのだという。 「寝坊助め」 「おじいちゃんが朝早いだけでしょう」 あふ、とでも、わは、とでも聞こえる欠伸と共に、減らず口を叩く彼女だがベッドに戻ろうとはしなかった。 「二度寝は?」 「鳥、もう終わりかな?」 視認できる範囲にはもう見当たらない。また明日があるじゃろ、と言いながら、本当に? と思う。この島に来て季節は四回巡った。 「また明日」 祈るようにもう一度言うと、彼女はぽかんとした。でもすぐに、ふ、と顔を綻ばせて 「また明日」 返してくれる。 #掌編 favorite No.668 2025/02/26(Wed) 21:13 508 字
冷蔵庫に眠っていた調味料とコンロ脇で油&埃まみれになっていた調味料を処分して、ついでに古いポリッシュも処分しました。中身捨てて洗って不燃、ってだけなんですけどついつい後回しにしてしまう。 ついでに新しい服(といっても、今まで着てた服と同じもの)も増えたので、今まで着ていて毛羽立った服を処分したり、二軍落ちさせて部屋着&近所のスーパー行きに整理しました。320デニールタイツはワンシーズン持たなかったな。家族の靴下をダーニングするための素材にします。 香水も、廃番になったので大事すぎて使えないでいるものをいい加減使おうと思って奥から出してきました。あと買ってみたけどそんなに…みたいなのは一応肌にのせてみてから再考して、それでも、うーんと思ったものはディフューザーにしています。玄関がいい匂い。肌にのせるのは、うーん、でも、香りは好きというのは結構あるんですよねえ。レモン系は好きだけどすぐ飛ぶし…みたいなのとか。 色々整理して、また買います。 #日記 favorite No.667 2025/02/24(Mon) 17:00 428 字
今日、買い物の帰りに車から思いっきり泥(水)をかけられました。歩行者(私)がいるのに、近いしスピード出てるし、わざとじゃないだろうけど、他の車と比べたら歩行者に全然気を遣ってない感じの運転でした。結果、オフホワイトのワンピースにめっちゃ泥。こういうときは、家に帰るまでドライバーに「切れ痔といぼ痔併発しろ」といった類の呪いをかけて留飲を下げています。ワンピースは迅速な洗濯が功を奏したのか無事でした。 ここ数年?左耳のピアスホールが安定しなくて、それでピアスをしないから、穴が塞がり気味で無理矢理入れるからまた…といった悪循環だったのですが、ピアスにワセリンをつけてから入れるといいと知って、やってみたら本当に良くて嬉しいです。結果、またピアス欲がむくむくしています。 #日記 favorite No.666 2025/02/23(Sun) 20:01 339 字
仕事が落ち着いたわけではないのですが、ほぼほぼ準備は終わった感じなので気持ちが大分落ち着いたのか爆買いが止まりません…。 顔と身体も洗えるシャンプーVネックワンピース 4枚ハイネックニット 6枚着圧レギンス 4枚香水ネイルチップジェルネイルピアスようやく身なりに気が向くようになったんだなあとしみじみ思っているところですが、そろそろ満足したい(まだ欲しい)。ここ半年?何も買ってなかったしと思えばいいということにしています。 #日記 favorite No.665 2025/02/23(Sun) 09:29 228 字
恋じゃねぇから 6巻(最終巻)読みました 「私はあのとき恋をしたかったんじゃない、助けてほしかったんだ」という台詞がすべてを表しているなと思いました。加害は、これはひどい、これはまし、といったことはなく等しくひどいのですが、それでも強いものが弱いものを加害するのは本当にひどいことです。 ファーストラヴでも取り上げられていたけど、特に加害者に加害の自覚がないのは本当に厄介。ハラスメントも同じで。 紫と茜の友情もとてもよかった。私は大事な親友が苦しんでいる時、一緒に像をハンマーでぶち壊せるだろうか。 あまり掘り下げがなかったけど、茜の旦那さんがめちゃいい人だと思うんですよね。茜と旦那さんのエピソードも読みたかった。 #感想 favorite No.664 2025/02/21(Fri) 21:50 315 字
秘密 season 0 11巻・12巻読みました 薪さんの恫喝にいつもハッとします。 薪さんは自分たちの仕事がなんなのか、どういった意味を持つのか、この判断が後々どう影響するのか、ということを常に考えてらっしゃるんだなあ。 「そう生まれついた」結果、行動を起こして人に社会に害をなすことは肯定できないけれど、でも本当に自分じゃどうしようもできないような衝動があるのなら、なんとかその苦しみを取り除いたり和らげたりする方法はないのかなと常々思うんですよね…。 今回の子供たちはみんな「そう生まれついた」ことに苦しんでいて。なんとかならんのか。 #感想 favorite No.663 2025/02/20(Thu) 21:23 276 字
めちゃくちゃ👏してもらって嬉しいです!しかも、かなりのパッションで書き上げた官能小説だったので。ありがとうございます~! #お返事 favorite No.743 2025/02/19(Wed) 21:54 66 字
明け方目が覚めて、今日の天気はどんなもんかとカーテンをそっと開けると、薄ぼんやりした空にいくつもの雁行が見えた。群れの数は十も二十もあって、V字が時折歪み、また整う。この島には立ち寄らないらしく海の向こうに見えなくなっていく。雁たちはうねうねと形態を変え、予想外の動きをするので、思いのほか見入ってしまった。
「何見てるの?」
いつのまにか起きていたらしい彼女がベッドから問うので、鳥じゃよ、と大雑把に伝えると肩をさすりながらもぞもぞと起き出してきた。
「わ、すごい。こんなの初めて見た」
この季節この時間に起きて空を見たことがなかったのだという。
「寝坊助め」
「おじいちゃんが朝早いだけでしょう」
あふ、とでも、わは、とでも聞こえる欠伸と共に、減らず口を叩く彼女だがベッドに戻ろうとはしなかった。
「二度寝は?」
「鳥、もう終わりかな?」
視認できる範囲にはもう見当たらない。また明日があるじゃろ、と言いながら、本当に? と思う。この島に来て季節は四回巡った。
「また明日」
祈るようにもう一度言うと、彼女はぽかんとした。でもすぐに、ふ、と顔を綻ばせて
「また明日」
返してくれる。
#掌編